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ECサイト運用で役立つスキル5選
みなさんこんにちは。
この記事ではWebデザイナーがECサイト運用の仕事を受注するために必要なスキルを、私の経験をもとに紹介します。ECサイト運用の仕事を継続受注できることをゴールとして、必要なスキルをピックアップしましたので、
「EC運用云々よりもデザインのスキルをもっと磨きたい!」
「デザインの小技やマル秘テクニックを知りたい!」
といった方のご要望には答えられない内容となっています。ごめんなさい。そのあたりの内容は後日別記事にてまとめますので、しばしお待ちください。
すでにWebデザイナーとして働いていてEC業界に興味のあるみなさま、もしくはEC業界で活躍できるWebデザイナーを目指しているみなさまには、大変現実的で役立つ内容となっているはずです。
ぜひご一読ください。
〜執筆者紹介〜
大学卒業後Webデザイン専門学校で2年間学び、Webディレクターとしてキャリアをスタート。EC専門のWebデザイナーに転職ののちWeb制作の副業を行いながらEC店長、ECコンサル修行を経て独立。
Web業界歴15年。制作からマーケティングまで一貫したサポートを信条に、スタートアップ事業や中小企業のEC運用サポートを行っています。
▶️EC店長時の最高月商3000万円 / 楽天月間MVP受賞
▶️100社超のサポート実績 / 3ヶ月以上の継続依頼率100%
▶️脱デザインができるだけの人材
▶️EC特化型キャリアアップ・副業・独立コンサルタント
記事の内容を簡単に要約
以下のスキルがあるとECサイト運用の仕事を受注しやすくなります。
・画像編集・写真のソフトが使える
・最低限のhtmlタグとCSSが理解できる
・ExcelとCSVが使える
・写真撮影ができる
・物事を柔軟に想像できる
・Googleアナリティクスやマーケティングは必須ではない、やりたいなら後からで良い。
画像編集・写真の加工
すでに「Webデザイナー」という肩書きでお仕事をしていたり、「Webデザイナー」を目指して勉強されている方は何かしらの画像編集ソフトはお手のものでしょうか。
EC業界では画像編集ソフトの中でもPhotoshopが使えると、受注できる業務の幅が圧倒的に広がります。
Photoshopとはその名の通り「写真を加工すること」に特化したソフトです。確かにFigmaやCanvaは直感的な操作が可能で、コーディングも自動でできる。複数人でプロジェクトをシェアできるのも大変魅力的ですし、Webデザインやバナーデザインができれば良く、実際に私もサブツールとして大いに活用しています。
デザイナーとしてすでに手元にある素材を並べ替えるのであればあなたの個性と働き方に合わせてどのデザインツールを使おうと自由なのですが、、
提供されたTシャツの画像のシワを消す、商品パッケージに写り込んだ人や建物を消す、天気を快晴にして太陽フレアをつける、赤ちゃんを笑顔にする、モデルの女性のシミしわ毛穴を消す、ビールジョッキに水滴をつけてしずる感を出す、ラーメンの具のボリュームを増やして見栄えを良くするなど、ECの現場ではPhotoshopが活躍する場面は数えきれないほどあります。
これらは実際に私が実務で経験した加工作業です。
ECは接客を商品ページが行うため、商品ページに購入判断できる画像がなければ、比較検討の土俵にも上がれません。
画像はないけどとりあえず登録して!なんてことは決してあってはいけません。商品の画像がないのに購入したお客様は、後々クレームとなり、結果的に仕事量が倍になって返ってくるのです。(もちろん虚偽の画像をけいさいすることも誠実ではありませんね。)
Photoshopであれば基本的には思いつく加工編集はすべてできます。
すでにWebデザイナーとして働いている方なら特に共感いただけるのではないでしょうか。
「えっ素材これだけ…??」
「商品画像って他にありませんか…??」
クライアントからの指示がなくても、Web上の画像を扱うプロとして最低限の加工処理は当然すべきです。先ほどあげた実例もクライアントからの依頼ではありませんが、プロのECデザイナーとしては言われなくてもで行うべき修正だと考えています。
詰まるところ、画像の加工さえできればPhoptoshopでなくてもよいのです。(私はPhotoshopしか使えないので、Photoshopがなくなれば廃業です。)
ソフトがないから写真の加工編集はできません、やり方がわからないのでできません、といった事態を避けるためにも、写真の加工編集ができる何かしらのソフトを使いこなせるスキルはEC運営に必須と言えます。
Photoshop以外にも無償で使える優秀なツールはたくさんありますので、調べてみてくださいね。Photoshopは月額費用がかかるので、経費見直しのために私も近々乗り換えを考えています。
執筆現在の2025年10月時点ではリアルタイムでどんどん状況が変わっており、カラーバリエーションの作成やモデル着用イメージの作成にAIを活用する場面も多くなってきています。実際に私も業務でAIを活用するシーンはかなり増えてきています。
とはいえAI画像はまだまだ完全ではありませんし、最終的にはPhotoshopで自分で加工できるからこそ、どこまでAIに任せるべきかの判断ができるのです。
中途半端なスキルこそAIに取って代わられてしまうので、画像編集ソフトは最低限自分の手足のように動かすことができるレベルまでスキルを磨くべきでしょう。
<そのためにどんな練習をすれば良いの?>
YoutubeやInstagramのPhotoshopテクニック系の動画を網羅して引き出しを増やしましょう。
そして模写練習は必須ではありませんが、やるなら1px単位でまったく同じものを作ること。
まず模写についてお伝えします。
よく聞かれるのは「模写って効果あるんですか?」「模写ばかりしていて成長しているのか不安」「模写でおすすめの題材ってありますか?」です。
模写は確実にあなたのデザインスキルを伸ばすのに効果があります。
そのためには1px単位で完璧に模写することが大事です。フォントに飾りがついていればその飾りも完璧に模写する。
オリジナルで使用している画像のコーヒーの湯気やビールの水滴も、同じような素材がないからこれはまあいいか、ではなくてできる限り近しいコップの写真をAdobeStockの無料素材から探して、水滴のシズル感が出る画像に加工する。ホットコーヒーやラーメンから湯気が出ていればその湯気も再現する。
グラデーションもシェイプもトレースでも良いから完璧にコピーする。
手書きイラスト風のあしらいや、行間、文字詰まで完全に再現する。
「素材がないからまあいいや」「フォントがないから似たフォントでいいか」
こんな妥協はいっさいしないで、完璧な模写をしてこそ「効果がある」と言えるでしょう。
すでにできることを惰性で繰り返してもなんの効果もありません。
模写の目的はデザインの引き出しを増やすことと、photoshopのスキルを伸ばすことです。
練習の時点で「まあいいや」「似た感じでできたからOK」と妥協してしまうようであれば、厳しいかもしれませんがあなたにプロの技術の取得は難しいかもしれません。
題材探しは簡単です。Googleで「LPデザイン」と調べるとLPのまとめサイトがたくさん出てきますので、あなたの目指すジャンルやデザインイメージに近しいものを片っ端から模写しましょう。または、パッとみてやり方が想像できるものはパス、これどうやってるんだ?と思ったものは試してみる。
私も実際にそのような練習をして今に至ります。
特に苦労したのは水に関連する画像の加工です。
水に反射した化粧品のパッケージが違和感だらけ。。。
ビールの瓶に水滴をつけるのも不自然。。。
これやりたいけどやり方がわからない…!ではどうするかというと、Youtubeでテクニック系の動画を観て実践しまくるのです。
世の中に存在する画像加工の技は全てYoutubeで調べると出てくるテクニックの組み合わせです。
とにかくPhotoshop初心者で模写すらもわからない場合は、まずはYoutubeでphotoshopの画像加工のテクニック系動画を網羅的に実践していきましょう。
ある程度手が動かせるようになったら、「LPデザイン」で検索すると美しいLPデザインのまとめサイトがたくさん出てきますので、その中で気に入ったLPを1px単位で完璧に模写します。
いくつか1px単位での模写が終わったころには、あなたのレベルはグンと上がっているはずです。
最低限のhtmlタグとCSS
Webデザイナーさんの中にはhtmlやCSSに苦手意識がある方がいらっしゃるかもしれません。しかしEC運営に携わるのでしたら最低限のタグの理解は避けてはいけないと私は考えます。
そもそもWebデザイナーと名乗る以上、WebサイトがスマホやPCに表示させる仕組みを理解していないのは問題です。
紙のデザイナーとの違いは何?そもそもWebって何??なんで画像がパソコンやスマホのモニターに表示されているの??
Webサイトをゼロから構築できるようになりましょう!と言っているわけではありません。「最低限」が理解できていれば良いのです。
私の実際の体験をお伝えします。
とあるショップの商品ページのデザインを作成して納品時に「jpg納品ではなく、サイトに反映させて確認して欲しい」というご要望をいただきました。
考えてみれば当然のご要望です。
実際にページに反映された状態で、スマホやPCで確認すると想像していたよりも文字サイズが小さかったり、楽天やyahoo!ショッピングなどのモールでは既存の装飾などが邪魔をしていて意外と目立たない…。なんてことは納品前に確認すべきなのです。
そしていざ管理画面にログインして画像を反映させようとすると、前任者が作った魔改造htmlタグが…!「申し訳ありません、htmlタグがわからないので反映できません」なんて事態は避けたいところです。
もちろん、htmlの知識があっても勝手にタグを書き換えるのはNGですよ!必ずクライアントさんに確認をとってからタグを触りましょう。
その後別案件のショップでも「差し支えなければサイトに反映して実際の表示を確認したいのですが、よろしいでしょうか?問題なければそのまま公開いたします。」といった提案をしたところ、大変喜んでくださり、継続的なご依頼へとつながりました。
その後はhtmlがわかるならちょっとヘッダーの更新をお願いしたい、楽天の他に自社サイトもちょっとみてほしい、といったように、そのクライアントさんからはかれこれ5年以上継続してご依頼をいただいています。
私は大学でプログラミングの経験があったためサイト構築も受注可能ではありますが、ゼロからサイト構築できるレベルのスキル取得は大変です。よく使われる最小限のタグを理解しておくくらいなら難しくありませんし、それ以上にメリットの方が大きいです。一度理解できると応用も効きますので、ぜひ苦手意識を乗り越えてスキル取得に取り組んでみてください。
職業としてWebデザイナーを選択する以上、最低限のWebのことは知っておきましょう。
<そのためにどんな練習をすれば良いの?>
まずは自分のポートフォリオサイトをオリジナルで作りましょう。
必要は発明の母、習うより慣れろです。
一番手っ取り早いのはご自身のポートフォリオサイトを作ることです。
WordPressでも構いませんし、サーバー更新のアナログなサイトでもペライチでもアメブロでも構いません。オンラインに表示されるあなただけのサイトをひとつ作成して、運用してみてください。
その際、テンプレートをそのまま使うのではなくタグを使ってみたりカスタマイズしてできる限り自分のオリジナルになるようヘッダーやメニューのパーツを変更してみましょう。
現在は便利なもので、サイトがパソコン上に表示される仕組みを理解していなくてもオシャレで素敵なWebサイトができるようになっています。
しかしあなたはWebデザイナーですので、本来その仕組みを正しく理解していなければならない側の人間です。
前述の通りゼロからサイト構築できるようになる必要はありません。
ご自身のイメージ通りのデザインを実装するにはどんな仕組みが使われていて、テンプレートのどこを変えればどんな表示になる、どのパーツがどこに影響している、くらいの知識は身につけておきましょう。
自分のサイトなのでエラーが起きても良いのです。
ExcelとCSVの基本的な操作
意外に思われるかもしれませんが、私がEC運営の日常業務で最も多く使うツールがExcelです。場合によってはGoogleスプレッドシートやNumbersかもしれません。いわゆる表計算ソフトです。
ECサイトは「商品を販売する」媒体であり、その商品がその媒体で何個売れたかが企業の売り上げ、そしてあなたに支払われる賃金に直結します。
販売すべき商品が決定されると、その商品について研究して競合を調べ、価格や見せ方を検証します。毎日同じ価格で同じ場所に並べるのではなく、季節ごとのイベントやセールに向けてどのような施策をすべきかも検討が必要です。
そのようにして販売が決定した商品が数十点、Webデザイナーとして採用されたあなたは優れたデザインセンスと画像編集ソフトを使いこなせるスキルを活かして、それらの商品をお客様が購入できる状態へとWeb上に落とし込んでいきます。
多くの場合その商品データとの最初の対面はExcelに並んでいるテキストや数値情報でしょう。
右手にExcel、左手にPhotoshopこそ、ECサイト運用に携わるWebデザイナーの勇姿です。
Excelで共有された数百商品の情報から、優先順位や担当者の割り振りを行ったり、データを商品登録用のCSVファイルに変換しながら登録作業を進めるのです。
もしあなたが絶対にphotoshopやfigmaを使ったデザイン制作しかしたくない!というのでしたら、そのような働き方もできるかもしれません。しかしせっかくECサイト運用の世界に興味を持ってくださったのですから、デザイン制作に限らずその前後の業務にも視野を広げてみてください。
私の経験上、すごーくデザインができるが他は何もしない人材よりも、デザインはそこそこでも商品登録前後の作業を全て巻き取ってうまく進められる人材の方がECサイト運用の現場では重宝されます。
商品登録だけではなく、売れ行きの芳しくない商品は価格を変更したりページのデザインを見直したり、何かしらの手立てが必要です。
例えば5000点の商品を取り扱うショップであれば、その中から直近3ヶ月で販売実績のない商品リストを作成して、次の戦略会議の議題としなければなりません。
5000点もの商品から特定の基準のデータを取り出したり、ページ滞在時間やヒートマップなどを活用してクリック数のフィルタリング調査をする際もExcelが大活躍です。
最低限VLOOKUP、XLOOKUPは呼吸をするようにできるようになっておくと、後々業務が大幅に効率化できるはずです。
そしてECサイト運用とは切ってもきれないのがCSVファイルの取り扱いです。
JANコードや日付などが記載されたCSVファイルを通常のExcelファイルのようにダブルクリックで開いてしまうと、文字化けしてしまい取り返しのつかない事故が起こってしまいます。
実際に過去に一緒に仕事をした新米WebデザイナーさんがCSVファイルを触った際に、JANコードが文字化けしていることに気が付かず、全5000商品以上のJANコードが文字化けした状態で登録されてしまったことがあります。
後から話を聞くと「ExcelもCSVも生まれて初めて触った」とのことでした。
CSVファイルの鉄則は「データのインポート」から開くことです。
詳しくはGoogleかAIに聞いてみてくださいね。
もしExcelに全く馴染みがないのでしたら少し勉強しておくとよいでしょう。
関数を完璧に記憶しなくても、ググればわかるレベルまで知識を持っておけばOKです。資格を取る必要もありません(資格があるに越したことはありませんが!)。
EC運用ではデザイン依頼は単発で終わりではなく、継続的に依頼が発生しやすいです。
この記事は「ECサイト運用の仕事を継続受注するために必要なスキル」ですので、その観点に則って、デザインだけに収まらずに前後の作業も効率よく進められるExcelの能力をピックアップしてみました。
WebデザイナーにExcelをやっておきましょう!と口すっぱくいうのは私くらいでしょうか。
でも本当に使うんです。
そしてExcelがわからずに苦戦しているデザイナーさんをEC業界でたくさん見てきたんです。。
<そのためにどんな練習をすれば良いの?>
面接で「Excelはさわれますか?」と聞かれて「一応最低限はできます。」と答えられれば、特別に何かを練習する必要はありません。VLOOKUPってどうやるんだっけ?CSVってどうやって開くんだっけ?くらいの復習だけはしておきましょう。
「人生でまったく触ったことがなくて…」といった答えになってしまうようでしたら、まずはGoogleで「Excel CSV 練習問題」と調べて出てくるサイトをひとつずつ実施してみましょう。
もしくは、無料のAIを活用して「EC運用のビジネスシーンで使うExcelとCSVの超基礎を1ヶ月でマスターできる練習問題を作って」のようなプロンプトを実施してみてください。
関数は難しくても、CSVの取り扱いだけは最低限理解しておきましょう。
事故が起きてからでは手遅れです!
特に副業や独立を考えているのでしたら、知らなかった、は通用しません。
写真撮影のスキル
ECサイトでお客様の購買意欲に大きな影響を与えるのが「商品写真」です。
世界にひとつだけの素敵な商品を販売しているのに、その商品画像がピンぼけしていてよくわからない、サイズ感が伝わらない、色が想像できないといったことでは、どんなに素敵な商品でも購入してもらえません。
コンビニでも売っている型番商品でさえ、写真の撮り方ひとつで他社よりも高い価格で売れた実例もあります。
会社員としてEC運用に携わってきた数年間、ほぼ100%販売用の商品撮影をする機会がありました。
写真撮影が業務で必須だった、というよりも、商品の魅力をもっと伝えるにはどうすれば…?と考えた結果、商品撮影に辿り着くのです。
あなたがWebデザイナーとしてECサイト運用に関わるようになると、おそらく同じような結論に至ることと思います。
もっと魅力的な商品の画像はありますか??という問いかけに、「はいありますよ!」と回答があったことは一度もありません。あればすでに出てきているはずなのですから。。
そしてまずは持ち前のスキルであるPhotoshopを駆使してどうにか加工できないものかと試行錯誤するのです。しかしコスパを考えると、最終的には一眼レフやiPhoneを片手に商品と向かい合うことになるのです。
繰り返しとなりますが、ECサイトで商品を買ってもらうためには魅力的な商品ページはもちろんですが、そこには必ず「魅力的な商品写真」が必要なのです。
かと言って今からカメラや撮影のスキルを熱心に勉強する必要はありません。
お客様に分かりやすい最低限の画像撮影ができればよいのです。
そして往々にしてそのスキルは「どうすれば商品の魅力が伝わるか」を考えることで磨かれていくものです。
私は現在は写真撮影をサポート内容に含めていませんが、独立してから1年間は「商品写真の撮影+商品登録+商品ページ作成」といったパッケージサービスを販売していました。結果、独立初期から月60万円超の売上を作ることができ、その後の事業展開に大きな足がかりとなりました。
現在の私があるのも、思い切って写真撮影をサービス化したおかげです。
繰り返しますが、私はプロのカメラマンでもなんでもありませんよ!商品撮影の需要はそれほど根強いのです。
もしあなたが普段から趣味で写真撮影をしていれば、それは今後ECサイト運営に関わるあなたの大きな武器となります。しっかりポートフォリオに組み込んでアピールしていきましょう。
<そのためにどんな練習をすれば良いの?>
スマホで写真をたくさん撮りましょう。
人でも物でもなんでも良いです。
同じ物をあらゆる角度で撮影して、その見え方や印象の違いを検証します。
そこら辺にある椅子や靴やカバン、Tシャツや財布などなんでも良いです。
あなたがその商品を売るなら、どんな写真を撮る??と自問自答しながら工夫してみてください。
例えば椅子なら人が座っているところ、素材感がわかるアップの写真、全体像がわかる俯瞰写真、インテリアの雰囲気に合わせた写真など。
財布なら素材感、サイズ感、小銭がどれくらい入るか、カードが何枚入るか、全体的な印象(高級感、カジュアル感、ビジネスシーンなど)がどうすれば伝わるか。
自分で撮影した画像を使用して商品ページを作成すれば、他の人よりもPR力の高いポートフォリオができるはずです。模写の練習をする際も、同じ構図の素材を探すよりも自分で撮影した方がアピールポイントが増やせますね。
物事を柔軟に想像するスキル
そもそもデザインとは人と物との間を取りもち、機能させるものです。
アーティストのように自分の中にある感性を表現したり、見るものに答えを委ねるものではありません。
ECサイト運用において、デザインのセンスや絵としての美しさはそれほど重要ではありません。
お客様に商品の魅力を伝え購買へと繋げてこそ、そしてショップの利益向上を実現してこそ「正しいデザイン」となるのです。
そのために必要であれば、わざとダサさを演出する必要がある場合もありますし、デザインそのものが不要な場合もあります(デザインはマーケティングの一環ですので、マーケティング戦略の時点でデザイン不要なこともあるでしょう)。
売れたデザインが結果的に正解となるのです。
「お金持ちはこういうデザインが好きだろう」
「可愛いものが好きな女性はこういうデザインが気にいるだろう」
これは想像ではなく決めつけです。
あなたの今までの経験上はそうだったかもしれませんが、お金持ちでも質素な暮らしをしていたり、可愛いものが好きなふりをしていても本当は格好いいものが好きな女性もいます。
みんなカレーが好きでしょ!ではなく、カレーが好きではない人がいることを理解しておくこと。カレーの種類にもいろいろあり、それぞれ好みが違うことを理解しておくこと。そして、カレーが好きではない人が居ることを理解できない人もいる、ということを理解すること。…うーん難しい!
自分の中から湧き出てくる感性だけに頼ってデザインをしてしまうと、それはあなたの意見の押し付けとなってしまい、自己満足のデザインとなってしまい兼ねません。
まずは商品のことを誰よりもよく研究すること。誰のための商品なのか。
その商品でどんなふうに幸せになれるのか。他の商品と比べてどんなメリットがあって、日常生活の中でどのような利益をもたらすのか。
そしてお客様がなぜその商品が欲しくなって、いつどこでどんなタイミングでショップを検索するのかを想像してみてください。
そのお客様はなんと言うキーワードで検索して、どのような経路であなたのデザインしたページに辿り着くのでしょうか。
そのお客様は急いでいる?時間をかけて吟味している??
競合はどんな戦略??
急いでいるお客様には、極力テキストベースのデザインで結論から端的に構成したデザインが良さそうです。じっくりと吟味するお客様には、検討材料をもれなく並べて読みやすくするとよさそうですね。…本当にそう?急いでいても子供の習い事の待ち時間でじっくり見るかもしれない。じっくりと吟味していても他社と比べて魅力のないページになっていたら買ってもらえないかもしれない。
高級感が必要なのか、フレンドリーさが必要なのかもお客様によって異なります。
高級感の中にも、「贅を尽くしたラグジュアリー感」「スマートさと品格を感じさせるエグゼクティブ感」「心癒されるゆとりのリゾート感」などさまざまです。
商品とお客様の間を取り持つあなたは、どんなデザインでその商品とお客様の繋がりを演出しますか??
想像力なくしては務まらないのがECサイト運用に携わるWebデザイナーです。
誰に何を売るのかをあたらめて考え様々な想像力をはたらかせて「売れるデザイン」を目指しましょう。
<そのためにどんな練習をすれば良いの?>
今すぐパソコンを閉じて街へ繰り出してください。
そしてダラダラと歩くのではなく、しっかりと耳と目を開けて五感で人間社会を感じ、頭を常に動かして「なぜ?」「どうして?」を考え続けてください。
そもそも想像力は、あなたの人生で見たもの経験したもので作られています。
知らないものは想像できません。
デパートや駅地下、美術館や展示会、はたまた動物園や植物園。
あらゆる場所に繰り出して、あらゆる人やものやデザインをみてください。
街でスマートフォンを持っている人を見かけたら、「どんなサイト・アプリを見ているのか」「なぜそのサイト・アプリを見ているのか」「じっくり記事を読んでいる?パッと見ただけで満たされてる?」さらに想像を膨らませて「その人はなんの目的でそこにいる?」「どんな靴を履いている?」「なぜその靴を選んだ?」「その人に私が販売している靴を売るとしたら、どんな言葉で接客する??」
飲食店の看板や駅の標識を見かけたら「誰のためのデザイン?」「なんでこのデザイン?」「もしこれがなかったら誰が困る?」「自分以外にどんな人がこのデザインを見ている?」「立ち止まってみる?歩きながら見る??」「よりよくする方法はあるのか??」
こんなことを考える時間を、毎日10分でも20分でも作ってみてください。
正解かどうかではなく、枠にとらわれない想像力を展開して「人に商品を売るためのデザイン」を瞬時にイメージする力を養うのです。
スターバックスのストローはなぜ緑色なのでしょうか。
駅の出口の案内看板はなぜゴシック体なのでしょうか。
そうして何か疑問やアイデアが閃いたら、疑問を誰かに投げかけて議論してみたり、自宅に帰ってパソコンを開いてアイデアを具現化する練習を繰り返しましょう。
人に物を売るためには、人と物の両方をよーく観察して理解することが肝心です。
Googleアナリティクスやマーケティングは不要なの?
よく聞かれる質問ですが、答えは「できるに越したことはないが優先順位は低い」です。
私の体験ベースの完全に個人的な意見ですが。
デザインはマーケティングの一貫ですので、前述のように想像力を働かせてデザインするレベルのマーケティングはすべてのWebデザイナーが知っておくべきでしょう。それはあなたが関わるデザイン業務がプロジェクト全体のマーケティングの中のどのような立ち位置かを理解することに繋がります。
しかしマーケティングを勉強するとその世界はとてつもなく広い砂漠を彷徨っているような感覚で、ゴールを見失ってしまったり、Webの世界が嫌になってしまうかもしれません。(実際に私がコンサルティング修行でマーケティングを勉強している期間、ずっと空想の世界を彷徨っているような感覚で、精神的に辛かったのをはっきりと覚えています。)
もちろんマーケティングができると格好いいですし、受注単価も跳ね上がります。
しかし地に足をつけて、目をしっかりと開いて考えてください。
あなたは「Webデザイナー」としてECサイト運用に携わるのです。
WebデザイナーがECサイト運用の仕事を受注する際に必要なスキルは、まずは大前提として手を動かして制作物を作ることができること。
そして今回ピックアップした5つのスキルで、ECサイト運用に必要な実務をスムーズにこなすこと。
画像加工ができて、htmlが最低限理解でき、Excelもそこそこ使えて、写真撮影も問題なし。その上で世の中を見て想像力を働かせたデザインができていれば、あなたはECサイト運用の分野で非常に価値のあるWebデザイナーとして、継続的な仕事を得ることができるはずです。
ECサイト運用に強いWebデザイナーという武器をしっかりと磨いてから、その次のステップとして、Googleアナリティクスや各モールの管理画面で「数字を読む」、数字が読めたらその数字を読み解いてデザインのブラッシュアップや広告実施を検討する、Webデザイン+マーケティングというより強力な武器を磨いていきましょう。
焦ることはありません。
終わりに
この記事を読んでいるあなたが転職を検討しているのでしたら、まずは希望職種に合わせたポートフォリオをしっかりと作り込むこと。副業で収入を増やすのでしたら、誰にどんなサービスと提供できるのか、ご自身のスキルの棚卸しをすること。
ECサイト運用に携わると、デザイン以外の様々な景色が見えてきます。
商品やサービスの売買に関する大きな世の中の流れの中で、ひとつの商品に愛情を注ぐ職人さん、日々新しいUI開発に取り組むエンジニアさん、大きな社会課題に取り組む経営者さん、商品の魅力をより伝えられるようにスキルを磨くデザイナーさん、商品を現実にお届けする物流業界のみなさま、最前線でお客様とやり取りをしてくださる受注担当のみなさま、最新情報をいち早く入手して販売訴求を助けてくれる広告担当者さん。
たったひとつの商品をたったひとりのお客様に届けるために、たくさんの人とのつながりを感じることが出来るのが、ECサイト運用の魅力です。
この記事が少しでもECサイト運用へ転職や副業をご検討されている方のお力になりましたら幸いです。
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ECデザイナー専門講座 モニターさん募集中
この度ストアカにてECデザイナーを目指す方向けの講座を開設する運びとなりました。
コロナ禍でEC業界への参入が急増し、EC業界は人手不足が深刻です。
多くの事業者さんが「対面で売る」ことはできても「オンラインで売る」ことができずに売上が伸び悩み、事業撤退を余儀なくされています。
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『数字が苦手…』でも大丈夫、私も昔は「%」が計算できませんでした。
『Photoshopは触れるけどデザインのセンスは自信がない…』ならEC向きの人材かもしれません。
現役Webデザイナーさんのキャリアのこと、副業のこと、他業種からの転職のこと、ポートフォリオのことなど
メッセージでのアドバイスは無料ですので、おひとりで悩まれている方はぜひ一度ご相談ください😊📩
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